| 研究課題/領域番号 |
16K02366
|
|---|
| 研究機関 | 島根大学 |
|---|
研究代表者 |
要木 純一 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00230631)
|
|---|
| 研究分担者 |
板垣 貴志 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (80588385)
竹永 三男 島根大学, 法文学部, 客員研究員 (90144683)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| キーワード | 若槻礼次郎 / 山陰 / 近代 / 日本漢詩文 / 官僚 / 政党政治 / 渡部寛一郎 / 中国 |
|---|
| 研究実績の概要 |
１．渡部寛一郎文書中、本研究の史料的基盤となるの「渡部寛一郎宛若槻礼次郎書簡」「渡部寛一郎日記」を順次翻刻し刊行した。 ２．立憲政友会機関誌『政友』、立憲民政党機関誌『民政』の漢詩欄を検討して、政党機関 誌に漢詩が一貫して掲載されており、両党の党員等の文化環境の一翼を漢詩が占めていることを明らかにした。 ３．松江市に本拠をおく漢詩結社・剪淞吟社の創立と展開を会員構成を中心として検討し、 初期には知事・郡長等の地方官僚が、中等学校教員・弁護士等とともに重要な構成員であったことを確認した。また、政党関係では、憲政会関係者、憲政会系新聞「松陽新報」が剪淞 吟社と密接に関係していることを明らかにした。 ４．若槻礼次郎とその漢詩・漢文の師である渡部寛一郎の信頼関係の基盤に漢詩があることを、「渡部寛一郎日記」および若槻礼次郎発渡部寛一郎宛書簡とそこに書かれた漢詩をもとに明らかにした。 ５．剪淞吟社と憲政会・立憲民政党の密接な関係を、剪淞吟社の社員構成、若槻礼次郎来松 歓迎詩会等を素材として明らかにした。６．島根県における政党政治期の地域政治の展開過程を、各種選挙結果、若槻礼次郎を擁す る憲政会の活動に焦点を当てて明らかにした。また、島根県における政党政治期（大正デモクラシー期）の地域政治の動向の研究史上の位置を確認するため、政党政治展開の歴史的前提となる自由民権運動期の松江と東京との関係を、松江出身の民権家である高橋基一の活動と思想 に即して明らかにした。７．地域政治と地域文化の戦前・戦後期の展開過程を、明らかにするために必要な地域史料の調査・研究の一環として、竹永三男と板垣貴志は、島根大学における古文書学実習の場を活用して、学習院大学大学院アーカイブズ学専攻、島根県総務課竹島資料室と共同して飯石郡飯南町の旧役場文書の調査・整理に取り組み、その報告書を刊行した。
|
