研究課題/領域番号 |
16K02367
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
妹尾 好信 広島大学, 文学研究科, 教授 (10171357)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 和漢古典籍目録 / 書誌情報 / デジタル画像 / 収蔵資料検索システム / 岩国徴古館 / 岩国市立学校教育資料館 / 吉川史料館 |
研究実績の概要 |
平成31年度(令和元年度)も主に岩国徴古館が所蔵する古典籍の調査を行った。まず、前年度までに引き続いて、「岩国徴古館資料」のうち、「第Ⅴ類・第九区・歴史(典籍)b和書」に属する資料の書誌調査を行った。当該資料全647点のうち未調査であった約120点の調査を2019年6月までに完了し、調査で得られた書誌データを「岩国徴古館収蔵資料検索システム」に掲載の手続きをとった。 「岩国徴古館収蔵資料検索システム」には、収載資料の画像を掲載することができる。「岩国徴古館資料」の調査にあたっては、各資料のデジタル画像も撮影した。トリミングなどの加工・修正を加えればシステム上に画像の掲載が可能な状態になった。 ただし、先に調査した「吉川家寄贈図書類」については画像の撮影をしていなかった。そこで徴古館の職員と協議したところ、やはり「吉川家寄贈図書類」についても画像を撮影し、システム上に画像を掲載できるようにしてほしいとの意向が示されたため、7月以降は当初の予定を変更し、「吉川家寄贈図書類」について各資料のデジタル画像を撮影することとした。画像の撮影にあたっては、単に表紙を撮影するという方法をとらず、巻首、見返し題など、書名を含む書誌情報を多く含んだ箇所を撮影することとした。利用者が画像を閲覧することで、その資料の内容の一端を知ることができるようにするためである。「吉川家寄贈図書類」は約3,500点存するが、令和元年8月から2年3月までの間に全19類のうち15類まで約2,400点の撮影を行った。撮影と並行して、画像の番号付けなどの処理作業も行った。 なお、岩国市立学校教育資料館所蔵資料の閲覧調査も10月と11月に2回行い、吉川史料館の調査に関しても学芸員と打ち合わせを行った。 加えて、「岩国徴古館資料」のうちの1点である「敬白 厳島大明神御縁記」を全文翻刻し、解題を添えて刊行した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は、平成31年度(令和元年度)内に岩国徴古館と岩国市立学校教育資料館の所蔵資料の調査を終えて、吉川史料館の調査に取りかかる予定であったが、「吉川家寄贈図書類」のすべての資料約3,500点についてデジタル画像を撮影することとしたため、岩国徴古館での調査日程を大幅に増やす必要が生じた。そのため当初の見込みよりも遅れているが、これは「岩国徴古館収蔵資料検索システム」に掲載するデータをより充実させるための変更であるので、研究そのものが遅れているわけではない。 順調に調査ができれば、令和2年度の前半には岩国徴古館、岩国市立学校教育資料館の調査を完了し、すべてのデータを「岩国徴古館収蔵資料検索システム」に登載できるはずである。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、本研究の最終年度である。 岩国徴古館においては、「吉川家寄贈図書類」のデジタル画像撮影を継続して行うが、あと3箇月(調査日数6日)程度で完了できる見込みである。岩国市学校教育資料館の書誌調査も、あと3~4日の調査で完了できる。吉川史料館の調査は、点数が少ないので、2~3日あれば十分である。 ただし、問題は、新型コロナウイルスによる感染症対策のため、令和2年4月16日以降、岩国徴古館、岩国市立学校教育資料館とも臨時休館となっており、当面調査ができないことである。もし休館が長引けば、研究の遂行に支障が生じる可能性がある。 休館中は、調査が終わっている「岩国市中央図書館所蔵和装図書」と「岩国徴古館資料」の分類目録作成のための準備作業を進めたい。
|