研究課題/領域番号 |
16K02379
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
森田 貴之 南山大学, 人文学部, 准教授 (90611591)
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研究分担者 |
竹島 一希 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (10733991)
蔦 清行 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 准教授 (20452477)
小山 順子 京都女子大学, 文学部, 教授 (20454796)
阿尾 あすか 奈良学園大学, 人間教育学部, 准教授 (30523360)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 和漢比較文学 |
研究実績の概要 |
まず「研究実施計画」に記した、各領域の研究課題の総括と位置づける外部の研究者も含め、中世漢故事受容に関する論集『日本人と中国故事 変奏する〈知〉の世界』(勉誠出版)の公刊を果たした。本書には、「歌われる漢故事」「語られる漢故事」「座を廻る漢故事」「学ばれる漢故事」「拡大する漢故事」の各章のもとに、合計21篇の論考を収め、和歌・歌学、物語・説話、連歌・俳諧・俳文、日本漢文・抄物・学問、思想・芸能など多岐に渡って変容を繰り返した日本における漢故事受容の姿を捉えるもの論集となっている。なお、本論集には、本研究代表者・分担者全員の、それぞれの担当研究領域に即した論考を含んでいる。 本論集に収められていない個別の研究課題の成果としては、森田貴之が、中国の二十四孝詩を和歌化した作者未詳『二十四孝詩歌』について、中国の二十四孝詩および注釈、御伽草子『二十四孝』、近世日本での二十四孝注釈との関係を論じ、内閣文庫蔵本の本文を紹介した。小山順子は和歌領域担当として、西行和歌に見られる漢文訓読調に注目し、朗詠詩句からの訓読語を詠み込んだ歌を調査し、同時代歌人たちとの共時的表現、西行の独自表現、同じ言語体系を持つ経典とのイメージの共有という3点から考察を加えた。阿尾あすかも和歌領域担当として、鎌倉時代の京極派歌人、伏見院の「悲秋」を題材とする和歌をとりあげ、その背景にある漢故事の世界を検討した。また、竹島一希は連歌領域担当として、『故事本歌本説連歌聞書』の中に収められる心敬に関する句、説話を精査し、16世紀後半の関東連歌壇における心敬の受容を例として、故事受容のあり方を考察し、16世紀後半の関東連歌壇における心敬の受容を例に、故事受容のあり方を考察した。以上の個別研究課題の成果はそれぞれ論文として公刊された。
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