今年度は、天理図書館蔵『静』および『満中』の大型奈良絵本調査の機会を得られ、絵巻・絵入り本の受容に応じた変容を遂げる『静』の様相や寺院唱導から展開を遂げた『満中』の様相についての分析に着手し、成果の一端を『新天理図書館善本叢書28 奈良絵本集6』(2019年10月、八木書店)の解題にまとめた。今後継続して考察を深め、成果を公刊する予定である。 なお、本研究の概要の一端を広く海外に発信する試みとして、国文学研究資料館刊行の英文オンラインジャーナル"Studies in Japanese Literature and Culture" Vol.3(2020年3月) に“The March of Dancing Skeletons: Zen Vernacular-sermon Picture Scrolls and Their Development”と題したコラムを掲載した。https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/sjlc.html
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