研究課題/領域番号 |
16K02394
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 悠介 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 准教授 (40551502)
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研究分担者 |
西岡 芳文 上智大学, 文学部, 教授 (90443407)
岡本 綾乃 (道津綾乃) 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (40443410)
貫井 裕恵 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸員 (40782868)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 聖教調査 |
研究実績の概要 |
(1)称名寺聖教中の唱導資料の調査:前年度に引き続き、神奈川県立金沢文庫において、従来の唱導資料目録を参考にしつつ称名寺聖教を見直し、研究分担者・研究協力者と共に、唱導資料とその関連資料の調査を行った。金沢文庫は11月中旬以降、3月まで空調工事のため休館となったため、11月10日に行った調査を年度内最後の原本調査とし、それ以降は本文検討などの作業に移行した。 (2)称名寺聖教中の「千字文説草」の調査・翻刻:称名寺聖教中、特に表紙の右肩に千字文が振られ分類されている説草群についても、上記の調査の際に、原本を閲覧しつつ、翻刻の校正・チェック作業を行った。金沢文庫の休館以降は、翻刻原稿の読み合わせや、典拠や類話等との比較検討を行い、翻刻の精度を上げていく作業を継続した。また、2018年12月2日に本科研との共催の形で開催した、仏教文学会12月例会シンポジウム「称名寺の千字文説草を考える」での報告に、その後の検討を加えた論文を、本科研の調査メンバー四人(高橋悠介・貫井裕恵・髙橋秀城・恋田知子)で『仏教文学』45号に執筆した。入稿済みであるが、刊行は2020年度の予定である。 (3)称名寺聖教と唱導・説話に関する研究:2019年6月29日には、名古屋大学で開催された説話文学会2019年度大会シンポジウム「律をめぐる宗教的環境と説話文学との架橋」において、「称名寺の説話資料と律」と題して報告を行った。戒律の復興でも知られる解脱房貞慶(1155~1213)の唱導と関わる説話を中心に取り上げ、称名寺聖教の分析を行った。また、称名寺聖教の『諸社口決』が密教的社参作法の口伝として、後世に大きな影響を与えたことについて論文にまとめ、中世神話や物語の注釈、箱根参詣の神前作法への影響などについてもふれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主たる調査先であった神奈川県立金沢文庫が、空調設備改修工事のため、2019年11月18日から2020年3月下旬まで休館することとなり、その間の閲覧調査ができなくなった。その調査を、2020年度にずらして実施する予定のため、延長を申請することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
主たる調査先であった神奈川県立金沢文庫は、3月に空調設備改修工事が終わった後も、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため休館が続いているが、再び開館されて調査環境が整い次第、原本調査を再開する予定である。それまでは、写真を参考にしつつ、唱導資料の本文・内容の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる調査先であった神奈川県立金沢文庫が、空調設備改修工事のため、2019年11月18日から2020年3月下旬まで休館することとなり、その間の閲覧調査ができなくなった。その調査を、2020年4月以降にずらして実施する予定のため、延長を申請することとなった。
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