研究課題/領域番号 |
16K02394
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 悠介 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 准教授 (40551502)
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研究分担者 |
西岡 芳文 上智大学, 文学部, 教授 (90443407)
岡本 綾乃 (道津綾乃) 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (40443410)
貫井 裕恵 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸員 (40782868)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 聖教研究 |
研究実績の概要 |
(1)称名寺聖教中の唱導資料の調査: 本年度は、表紙の右上に千字文を付して分類された称名寺の説草群「千字文説草」の翻刻を、神奈川県立金沢文庫において原本校正して仕上げる予定であったが、感染症をめぐる社会状況の中で調査に制限があり、原本確認ができなかったことから、翻刻原稿を読み合わせ、典拠や類話との比較から翻刻を見直す作業を中心に行った。本科研の研究期間内にこの説草群を公刊することを目指していたが、社会状況の改善を待って、原本校正を経た上で公にする予定である。 (2)称名寺聖教と唱導・説話に関する研究: 仏教文学会と本科研の共催で行ったシンポジウム「称名寺の千字文説草を考える」での報告に、その後の検討を加えた論文を、本科研の調査メンバー四人(高橋悠介・貫井裕恵・髙橋秀城・恋田知子)で『仏教文学』45号に執筆した。千字文説草について、全体的な特色、歴史学からみた位置づけ、経典受容や称名寺三世の湛睿の説草との関係、法華経関連説話の分析等、様々な視角からの論考をまとめることができた。また、『説話文学研究』に、「貞慶をめぐる説話と律院―「異砂記」・狛行光春日霊験譚」という論文を執筆した。この中で、称名寺聖教中の『舎利要文』所収「異沙記」と「〔狛〕行光事〈付大明神〉」を関連資料と共に取りあげ、戒律の復興でも知られる解脱房貞慶(1155~1213)の舎利信仰や唱導、地獄蘇生をめぐる春日霊験譚の変容などについて分析を行った。吉川弘文館のシリーズ日本宗教史3『宗教の融合と分離・衝突』に執筆した「身体生成をめぐる思想と中世仏教―五蔵観・魂魄・胎内説」は、称名寺聖教等をもとに、中世の身体生成をめぐる思想を諸宗教の融合と衝突の場という視角から論じたものである。
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