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2020 年度 研究成果報告書

異形の近世注釈の系譜学

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02404
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本文学
研究機関皇學館大学 (2018-2020)
神戸大学 (2016-2017)

研究代表者

田中 康二  皇學館大学, 文学部, 教授 (90269647)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード国学 / 本居宣長 / 富士谷御杖 / 太平洋戦争 / 敷島の歌 / 日本精神論 / 教科書
研究成果の概要

本居宣長の国学は、中世歌学をルーツとし、同時代の儒学を仮想敵として近世中期に成立した日本古典学の体系である。そこには文学研究という側面と復古思想の鼓吹という側面があって、複雑な樹形図の中に描くことができるものである。そのような進化の途上において、国学は二度大きな変容を経験した。一度目は近世後期(幕末)であり、二度目は昭和十年代である。
近世後期においては、富士谷御杖による宣長国学の受容が最も異形の受容形態を取っている。言霊倒語説による古代文学の解読は宣長国学のもう一つの可能性を示した。また、昭和十年代の教科書・辞書における敷島の歌の解釈は、当時の日本精神論の枠組みの中で変容し、曲解された。

自由記述の分野

日本近世文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本居宣長の国学は学問として文学と思想の両面の属性を持つことから、後世において誤読や曲解を受けることが多かった。だが、その内実についての検証は必ずしもきちんとなされてきたわけではない。本研究課題では宣長の国学がいかに誤読され、曲解されたのかという点について、近世後期においては富士谷御杖、昭和十年代において教科書・辞書を対象として、資料を調査収集し、具体的に分析し、宣長国学に関する誤読・曲解が起きる原因を究明した。このような現象は宣長国学のみに限定されることではなく、多少とも思想的な色彩を帯びた学問体系は、時局に利用される側面があるということに応用できると推察される。

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公開日: 2022-01-27  

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