本研究では、東南アジアの各国において、近代の日本語文献がどのように流通、所蔵、管理されているかを明らかにした。特に現地機関自体の管理、調査が難しい資料、戦中、戦前の文献を重点的に調査した。この過程で、インドネシア国立図書館(ジャカルタ)、及びベトナム社会科学院(ハノイ)に大規模な戦前、戦中の日本語蔵書を発見した。これらを現地機関の協力を得て調査し、目録を作成、公開した。また、これらの蔵書の形成過程を明らかにした。これら資料を生み出した要因として、第二次大戦中の日本の文化外交活動が大きく作用したことが明らかになったため、この時期の日本の文化外交に焦点をあてて新たな研究に発展させることとした。
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