本研究は、汪兆銘(精衛)政権統治下の中国で展開した日本語文学の実態を究明すべく、その基礎資料の整備および現地邦人文学者・文学団体の動向調査を実施したものである。研究期間中には上海・北京・天津・台湾などの海外並びに日本国内の図書館での資料調査や、国内の古書市場に残る資料の購入を行い、研究基盤の整備を進めた。 それら収集資料のうち、雑誌『大陸』をはじめとした重要資料については、雑誌特集号や論文、学会発表等で成果報告を行った。また関連分野の研究者と連携し、東アジア各地に残存する日本語資料とその活用に関するシンポジウムの実施や、雑誌細目の刊行を行い、今後の研究的展開を図った。
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