研究課題/領域番号 |
16K02435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
大石 房子 (金田房子) 清泉女子大学, 付置研究所, 客員所員 (80746462)
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研究分担者 |
玉城 司 清泉女子大学, 付置研究所, 客員所員 (20410441)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 鳳朗(対竹・鶯笠) / 一茶 / 近世後期俳諧 / 地域文化 |
研究成果の概要 |
江戸後期は、俳諧が社交・教育の手段として広く行き渡り、地域の文化活動に重要な位置を占めた時代であるが、作品の評価は低く未調査の部分が多い。 本研究では、天保(1830-44)の三大家の一人鳳朗と一茶という二人の職業俳諧師を軸に、地方俳人との交流に着目し、俳書・書簡・句稿といった資料を詳細に読み込むことで、後期俳諧の具体相を捉えた。これによって、鳳朗の生涯や一茶との交流等が次第に明らかとなり、鳳朗の門人指導の実態や地方の文化人の俳諧への熱意を知ることができた。さらに鳳朗の句集や紀行文を翻刻紹介し、近世後期俳諧の作品評価の再検討を行った。これらの成果を、寄稿論文を加えた論集として刊行した。
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自由記述の分野 |
日本近世俳諧
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世後期は俳諧が浸透し人々の生活に密接に関わった時代であったが、文学的には低調な「月並」調と切り捨てられ研究の空白期となっていた。地域文化に大きな役割を果たした俳諧の活発な営みと特色を、高崎の一彡(神官)・魚沼の二川(富農)らに関わる豊富な資料を読み込み紹介した。また彼らを指導した職業俳諧師・鳳朗について、年譜の作成・句集や紀行文の翻刻紹介を通して作品の特質を考察、門人指導のあり方や一茶との交流を具体的に明らかにした。 以上の成果は順次紀要等に発表するとともに一般にも手に取りやすい選書の形で、金田・玉城共編『鳳朗と一茶、その時代-近世後期俳諧と地域文化-』(新典社選書100)として刊行した。
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