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2018 年度 実施状況報告書

後期読本の長編構成に関する複眼的検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K02436
研究機関国文学研究資料館

研究代表者

大高 洋司  国文学研究資料館, その他部局等, 名誉教授 (60152162)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード江戸時代 / 近世小説 / 後期読本 / 長編構成
研究実績の概要

本年度も研究会・原本調査を実施し、成果論文を公表した。
1.2度の研究会において、研究テーマに即した研究報告・討論を行い、認識の共有と深化を図った。○第1回研究会(平成30年8月6日、国文学研究資料館、出席者11名/8月7日、同、出席者9名):森藍子「『奴の小万』考-唐衣の造型と話の枠組みをめぐって-」、野澤真樹「鉄格子波丸『葦牙草紙』の構想」。○第2回研究会(平成30年11月17日、明治大学駿河台校舎、出席者8名):大高洋司「『双蝶記』の長編構成と〈勧善懲悪〉」。2.京都大学文学部濱田啓介文庫(近世小説を中心とする400点余り)の第3回共同調査を実施し、後期読本・実録を含む約120点のカード調査、及び第1・2回調査結果の点検・照合を行った。3.国文学研究資料館において資料整理等補助員を雇用(6・7・9月)し、前年度・前々年度における濱田文庫の調査データ整理の滞貨分を完了させると共に、本年度の調査、最終年度の調査結果公表についても、十分な準備作業を行うことができた。4.前年度研究会における研究報告(口頭発表)に基づく成果論文3本を公表した。:伊與田麻里江「山東京伝『双蝶記』の創作法-時行主従の造型をめぐって-」(「読本研究新集」第10集、「小特集/山東京伝」、2018年6月)・大関綾「『自来也説話』における「自来也」像」(「読本研究新集」第10集、2018年6月)・大高洋司「「拙作」としての『頼豪阿闍梨怪鼠伝』」(「国語国文」87‐10、2018年10月)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究会における若手研究者の発表内容の質、及び質疑応答の内容は当該分野の研究の現状に即して先端的なものであり、その成果は、いずれも査読付きの専門誌に公表されている。また本年度は、代表者も論文の公刊・口頭発表を行った。
共同調査の進行は順調であり、本年度は、国文学研究資料館において資料整理等補助員を雇用して、データ整理の滞貨分を完了させることができた。
ただ、想定したテーマ(「後期読本の長編構成」)に即して解明できた点は、代表者の実感では当初の半分程度であり、個別の検証事項を数多く残していると言わねばならない。

今後の研究の推進方策

江戸時代の長編小説として近代に接続する「後期読本」の研究において最も肝要な作業のひとつに「長編構成」を可能にした要素の解明があり、その成果に基づいて適切な分類を施すことが、「後期読本」を大局的に理解するための基盤となる。本課題の最終年度にあたる令和元年度には、「長編構成」を含む読本の諸問題を総合的に論じた田中則雄氏『読本論考』(本年前半刊行予定)を取り上げ、田中氏を研究会にお招きして、著書の内容に関する質疑を行い、今後研究者の取り組むべき課題を共有すると共に、講演していただく準備を進めている。

次年度使用額が生じた理由

研究会、共同調査にあたり、研究協力者の都合によって生じる旅費の差額を次年度に繰り込むことで、本年度と同様の活動を、できるだけ余裕をもって行う原資とするため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 山東京伝『双蝶記』の創作法-時行主従の造型をめぐって-2018

    • 著者名/発表者名
      伊與田麻里江
    • 雑誌名

      読本研究新集

      巻: 10 ページ: 33-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『自来也説話』における「自来也」像2018

    • 著者名/発表者名
      大関綾
    • 雑誌名

      読本研究新集

      巻: 10 ページ: 85-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「拙作」としての『頼豪阿闍梨怪鼠伝』2018

    • 著者名/発表者名
      大高洋司
    • 雑誌名

      国語国文

      巻: 87-10 ページ: 1-19

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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