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2019 年度 研究成果報告書

19世紀後半から世紀転換期の文学表象における女性労働とネットワーク形成

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02441
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関茨城大学

研究代表者

市川 千恵子  茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (10372822)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード女性労働 / ネットワーク / 19世紀 / マーガレット・ハークネス / 貧困
研究成果の概要

「堕ちた女」の感傷的な表象や、慈善活動の救いの対象としての受動的な存在としてではなく、自律した生を模索する下層階級女性の姿を、マーガレット・ハークネス(1854-1923)の著作を中心に考察した。ハークネスの語りには、下層階級女性を物語の声の主体としながらも、中流階級的なまなざしが介在する。その一方で、労働者階級女性の経済的脆弱さ、政治的声の獲得の困難さを提示する際には中流階級的価値観に対する批判と抵抗を潜ませる。自らの権利の模索としてのストライキへの参加に、慈善活動における階級差を基盤とした女性の関係とは異なり、労働者階級女性の連帯の萌芽と、彼女たちの政治的覚醒のあり様を見出すことができた。

自由記述の分野

イギリス文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来の19世紀イギリス文学研究では、その関心が中流階級女性に集中しがちであったが、本研究は下層中流階級から労働者階級女性の労働に焦点をあて、階級を超えた女性同士の関係の葛藤から脱し、労働者階級女性たちが自らの政治的声を模索する萌芽的瞬間を見出そうとした。また、本研究では正典と位置付けられる19世紀の女性作家(ブロンテ姉妹、ギャスケルなど)の作品と、近年新たに発掘され、再評価されつつある女性作家(ハークネス、エセル・カーニー・ホールズワースなど)の著作から女性著述の系譜の新たな様相を追究することも試みた。

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公開日: 2021-02-19  

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