研究課題/領域番号 |
16K02442
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
末松 美知子 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (90216276)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シェイクスピア上演 / デジタルアーカイブ / 比較演劇 / 国際研究者交流 |
研究実績の概要 |
本研究は、先行研究で構築したウェブ・アーカイブA|S|I|A(Asian Shakespeare Intercultural Archive)収蔵のシェイクスピア上演映像、データ、資料等のコンテンツを活用した比較演劇研究と新たな教育プログラムの普及を目指すものである。また、アジア諸国や欧米の研究者たちとの協力により、シェイクスピア比較上演論分野における研究・教育のネットワーキング作りを進め、アジアからの国際的な発信を続けている。 研究初年度の平成28年度は、ウェブ・アーカイブA|S|I|Aのデータ見直し作業を終了した。A|S|I|A は2010年の公開当初の古いデータの見直しが急務となっていたが、上演作品に関するデータの修正や補足などを行った上で、利用者からのフィードバック等を参考にデータ全体の見直しを行い、コンテンツの充実を図った。また、データ修正以外にも、インターフェイスの変更に加え、検索したデータをリスト化して保存できる機能や、分析データを円グラフで視覚化して比較検討できる機能などを新たに追加した。 ウェブ・アーカイブA|S|I|Aを利用した教育プログラム構築準備としては、28年8月に英国で開催されたShakespeare World Congressの際に、新たにA|S|I|Aチームに加わったマイケル・ドブソン教授(英国バーミンガム大学シェイクスピア研究所長)、先行研究期間中からの海外共同研究者であるリーラン・ヨン准教授(シンガポール国立大学)、ヒョンウー・リー教授(韓国順天郷大学)とA|S|I|Aを利用した多国間遠隔授業の実施及び、英国バーミンガム大学シェイクスピア研究所におけるA|S|I|Aを利用した大学院生対象の比較演劇教育プログラムの構築準備について、検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りウェブ・アーカイブA|S|I|Aのコンテンツの見直しと新たな機能の追加作業を行うことができた。また、複数の学会で研究発表を行ったほか、各国の研究者と本アーカイブの教育的利用について検討し、その実現に向けて具体的な計画を作成できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年9月に京都で開催されるJADH(The Japanese Association for Digital Humanities)の学会 "Creating Data through Collaboration"において、国際的なチームによるデジタルアーカイブデータ作成の有効性について、A|S|I|Aチームの一員として共同発表するほか、10月に大阪で開催される日本シェイクスピ学会パネル・セッション「シェイクスピア研究におけるデジタル・ヒューマニティーズの成果と可能性」において、本研究の成果を報告する。また、学会参加のため9月に海外共同研究者が来日した際に打ち合わせを行い、アーカイブの教育的利用について計画をさらに進める。 昨今上演作品のデータ作成に費やす時間を捻出しにくい状況が続いており、比較上演研究に関心を持つ若手研究者等に作業の分担を依頼する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年2~3月に実施した英国への演劇上演状況調査が、大学での業務のため当初の予定より短期間となり、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
国内での演劇上演状況調査に充当する。
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