(1)近代初期英国の食事文学において表象される饗宴が、当時の英国における文化的装置である、雄弁術を構成する記憶術や、宮廷仮面劇と密接な関連性をもっていたことを証明した。(2)近代初期英国の食事文学における「ダイエットの詩学」を解明した。とくにシェイクスピアの四大悲劇における、食欲によって肥大化した主体とテクスト本体を前景化すると同時に、それらを浄化し、消尽していく「ダイエットの詩学」のパラダイムを解明した。(3)シェイクスピアの『アテネのタイモン』において表象された宴が、主体の生成と消尽というルネサンス的テーマと結びついていることを、食事文学の視点から解明した。
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