研究課題/領域番号 |
16K02450
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉中 孝志 広島大学, 文学研究科, 教授 (30230775)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ハビントン / マーヴェル / 庭 / ワーズワス |
研究実績の概要 |
「庭」という場所によって「敵と友」を超える超党派的な人間関係が醸成されるという仮定を立証すべく「庭」そのものの本質的性質を明らかにする研究調査を行ってきたが、本年度は、造園方法とその場所での人の動きや自然の変化によって喚起され操作される感情との関係を調査した初年度(28年度)に行った研究の成果を纏め、『表現技術研究』で出版公表した。 また、当初計画の研究対象であった William Davenant から派生的に精査が必要であると考えられたため、本年度は William Habington の詩作品である Castara を内戦勃発へと向かう国内情勢と絡めながらマーヴェルやダヴェナントの作品との間テクスト性を念頭において研究した。その成果を日本英文学会中国四国支部大会において口頭発表し、「ウィリアム・ハビントンのコズミック・エスケイピズム」として17世紀英文学会誌に投稿した。 さらに、例年であれば3月末に開催される The Marvell Society による研究発表会が本年度は4月上旬(11~13日)に行われたので、会場であるアメリカ合衆国 Texus Tech University に出張し、 Nigel Smith, Matthew Augustine 等のマーヴェル研究者と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Henry Vaughan の研究組織である The Vaughan Association の要請で第24回大会での研究発表を行ったため、その準備で当初計画にある研究を行うための時間確保が充分ではなかったのがその理由である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのマーヴェル研究の集成といえる The Oxford Handbook of Andrew Marvell が刊行された。本研究計画は本年が最終年度となるため、この書物に付け加えられるべき研究成果を求めて、特にバッキンガム公爵とマーヴェルとの人間関係の観点からマーヴェル作品を分析し、年度末の国際学会で研究発表を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度3月末に開催予定の国際学会が4月開催に変更となったため。アメリカ合衆国、および連合王国での学会参加、研究調査に支出する計画である。
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