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2019 年度 研究成果報告書

コロニアルな視線の順応化―ロマン派期英国アイルランド小説再評価

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02459
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関学習院大学

研究代表者

吉野 由利  学習院大学, 文学部, 教授 (70377050)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードイギリス文学 / アイルランド文学 / ジェイン・オースティン / マライア・エッジワース / 家庭小説 / 国民小説
研究成果の概要

ジェイン・オースティンの小説と、国民小説との間テクスト性をより緻密に検証することで、ロマン派期小説の体系的把握を補い、文学史を修正するアプローチを提示した。オースティンの小説が、「ケルト辺境」で紡がれたマライア・エッジワースの国民小説の「男性的な」コロニアルな視線をイングランドを舞台にした家庭小説の枠組みに順応化し、「女性的な」視線に変容させていること、そしてこの変容こそ、帝国の拡大に伴い理想的な国民像の更新を必要とする時代の要請に巧みに応えていることを検証した。オックスフォード大学や欧州ロマン派研究連合の研修で、手稿研究の方法論と成果のデジタル発信技術を更新し、「公衆関与」にも取り組んだ。

自由記述の分野

英文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

ロマンスとリアリズムを混在させるロマン派期小説は、リアリズムを重視する文学史観の影響で過小評価されてきた。その発展途上にある体系的把握において、最大の難点はオースティンの作品の位置づけである。本研究は、その解明方法の一つを提示する学術的意義がある。また、オースティンの家庭小説が国民小説を順応化する特徴は、夏目漱石が英国近代小説を日本文学へ順応化して受容した際の文学観の理解を深める鍵となることを示した学術的意義を持つ。また、対象作品のデジタル版の作成や同時代の物質文化を紹介するオンライン展示の社会的意義は、Covid-19の感染拡大で国際的に学校・文化機関が閉鎖した際、再確認されている。

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公開日: 2021-02-19  

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