本研究は2つの分野において遂行された。 (1) ヒュー・ブレアの古典修辞学書_Lectures on Rhetoric and Belles Lettres_をデリダのグラマトロジーとの関連において再評価した。デリダは古典修辞学の成立と発展について、西洋形而上学から生まれ、その音声中心主義と存在論を補強したと述べているが、この指摘は正確とはいえない。むしろブレアの修辞学は「書かれた声」の学としてデリダのグラマトロジーに接近する視点を持っていることを明らかにした。 (2) 18世紀以降の英国におけるギリシア古典受容の一形態として、ヴィクトリアン・ヘレニズムと女性作家について研究した。
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