研究課題/領域番号 |
16K02467
|
研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
田中 美保子 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (30385380)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | Lucy M. Boston / Diana Boston / The Manor / 音楽・音環境 / 言語・文体 / 手仕事 / 造園 / イラストレーション |
研究実績の概要 |
過去2年間(2016年度、2017年度)に引き続き、これまで同様の3つの観点から、個々に研究を進めるとともに、随時、研究代表者と在英の研究協力者たち、および、研究代表者と日本国内の研究協力者たちが、一堂に介し、研究遂行のための議論や意見交換・研究会を活発に重ねてきた。 ・音楽・音環境に関して:研究代表者が現地に赴き、館の管理人であるLucy Boston の義娘Diana Bostonへのインタビュー取材をしつつ、とくに、レコードコンサートやレコード収集に関する記録の手がかりに注目して、館内外の資料の発掘・収集を行なった。さらに、得られた資料を持ち帰って、連携協力者や研究協力者と共有、それらの分析を行なった。 ・言語・文体に関して:在英の研究協力者4名および、在英ながら日本訪問中の研究協力者へのインタビューを行なった。その結果を日本の連携研究者や研究協力者3名と共有し、研究に生かすための意見交換を行なった。 ・手仕事・イラストレーションに関して :手仕事・造園・イラストレーションに見る環境意識の分析をするために、原画や実際の庭園、パッチワークの実物などを、研究代表者が現地で確認し画像資料として持ち帰ってきた。それを、日本の研究協力者たちと共有し、研究に生かすための意見交換を行なった。 上記のインタビューや意見交換・研究会の成果として、研究協力者数名が英文による論考をまとめ、それを研究代表者や研究協力者が日本語訳して公表、資料としてより活用できるようにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外の研究協力者も増えて発展しており、全体としては順調に進展している。
「おおむね」と回答したのは、異なる分野の研究領域をもつ者同士の意見や情報交換と連携がさらに進むとよい、と判断したからである。研究期間の残りを有効活用して、進めたい。
|
今後の研究の推進方策 |
上記、「進捗状況」に記したように、異なる分野の研究領域をもつ者同士の意見や情報交換と連携を研究期間の残りを有効活用して進める予定である。そのために、以下の研究会(ゲストスピーカーや外部協力者を招いての公開講演会や研究会)を計画している。
・6/2 パート1:公開講演会およびその後の討議と研究会1(代表作「グリーン・ノウ・シリーズ」とイギリス児童文学の伝統について)+ パート2:(作品および作家の背景について) ・11/24 (グリーン・ノウの音環境とボストンの自然環境意識について)
上記成果を活かして、年度末までに各研究者が論考としてまとめることを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費の支出と旅費の支出が当初予定より少なかったことが主たる理由である。前者は、高性能の録音機材や、高速処理能力と容量の大きいパソコン購入を予定していたが、研究協力者の渡英見合わせ等により、当該年度に購入を見合わせた。後者は、2つの国際学会に参加することを見越して、渡航に関する費用(航空運賃および宿泊費)を予算として計上していたが、大学から渡航費の援助を得られたこと、および、研究協力者の好意で英国の現地調査中にご自宅に寄宿させていただくことが可能になったため、滞在・宿泊費が大幅に抑えられたことによるものである。
今年度にくりこした使用可能な予算は、残りの研究期間のうち、とくに、長期休暇を利用した現地調査に使用して活用する計画である。
|