16・17世紀の世界貿易の生産と輸出の立役者は,中国をはじめ,インド,東南アジアなど東洋の諸国であり,東洋から輸出される品々に,ヨーロッパ市場は魅了され,それらを買い付けるために,商人たちはアジアへの通商路を,陸に海にと探し求めた。近代初期のヨーロッパはグローバル経済の中心ではなく,むしろ東洋の築いた巨大な経済圏に参入したのである。本研究は、そうしたグローバル経済とシェイクスピア演劇の関係を探求しようとするものである。 シェイクスピア劇の中では,しばしば当時の交易品への言及がなされる。東洋との交易品への言及をとおして,作品におけるグローバル経済の影響と人々の物質文化への関心の解明に取り組んだ。
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