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2018 年度 研究成果報告書

アメリカ作家と共同体との確執

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02491
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関広島大学

研究代表者

田中 久男  広島大学, 文学研究科, 名誉教授 (30039135)

研究協力者 ハムリン ロバート・W  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリージョナリズム / アメリカ南部 / ウィリアム・フォークナー / アメリカ中西部 / アメリカ西部 / ジョン・スタインベック / アイリッシュ・アメリカン / ユージン・オニール
研究成果の概要

アメリカは民主主義の国として市民の平等や連帯を重視する国であるが、同時に、個人主義を大切にし、自由を重んずる国でもある。この二つの理念は、アメリカニズムの中心概念であるが、時に反発し合う様相が、個性豊かな作家と彼/彼女が住む共同体との関係において顕現しやすい。その事例を見て言えることは、アメリカ文学のキャノンを形成する作家たちは、自ら住む共同体との摩擦が強くなる傾向を示すのに対し、エスニック・マイノリティの作家たちは、共同体との関係を良好に保つ姿勢を強く持っている。こうした特徴が生ずる社会的、民族的背景を探究することにより、今まで看過されてきたアメリカ文学の大きな特徴を明確にすることに努めた。

自由記述の分野

アメリカ文学とアメリカ文化

研究成果の学術的意義や社会的意義

民主主義と個人主義という、アメリカニズムの中核にあるこの対立的な理念は、アメリカ文学のキャノンを形成するルイス、オニール、フォークナー、スタインベック等の作家たちの場合、田舎町の偏狭性と排他性や、アメリカの物質主義的な生き方や人種偏見に対する批判、ピューリタニズムに対抗的な汎神論的宇宙観の提示という形で、社会的病巣に鋭く反応している。他方、レスリー・マーモン・シルコウやトシオ・モリなどエスニック・マイノリティの作家たちは、彼らの共同体の慣習や価値観を尊重するが故に、アメリカニズムの理念と現実との落差に、厳しい批判の目を向ける傾向がある。こうした様相を、具体的な作品の考察を通して跡づけた。

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公開日: 2020-03-30  

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