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2019 年度 実績報告書

アメリカ南部と白人性―第二次大戦後の時代性と人種表象の力学

研究課題

研究課題/領域番号 16K02494
研究機関熊本大学

研究代表者

永尾 悟  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80389519)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードアメリカ南部 / 白人性 / 黒人性 / 大農園制度
研究実績の概要

本研究課題の最終年度として、2018年度に行ったFrank Yerbyの作品における南部白人性表象に関する学会発表の内容をふまえて英語論文を執筆し、2019年度末に発行された学会誌で発表した。本論文では、作品の舞台となるニューオーリンズのクレオール文化の多人種・多民族性が、アメリカ南部における白人性構築に強く作用し、大農園制度における白人農園主と黒人との関係をより複雑にしていることをYerbyの歴史ロマンスが暴き出した点について考察したものである。この論考をきっかけとして、アメリカ南部の文化的多様性を前提とした白人性表象を他の文学作品からも読み取れる可能性が明らかになった。
また、本年度はJames Baldwin文学におけるアメリカ南部と白人性に関する資料収集と研究ノートの作成を行った。Baldwinが1940年代後半にヨーロッパに移住して以降、大西洋の対岸からアメリカの人種関係を見つめ直し、そのルーツをアメリカ南部の白人と黒人の人種混交の歴史の中に見出そうとした点を、小説のみならずエッセイや書簡、さらには未発表のメモなどを手がかりに考察した。特にいくつかの短編・長編小説の構想段階で、Baldwinがアメリカの人種問題を南部の地域性と白人性の交差性から捉えようとした点が見られた。これについては関連資料が予想以上に多く、本年度は論文執筆までには至らなかったため、2020年度中に英語論文を執筆する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The "Costume" Performance of Racial Identity: Racializing Southern Whiteness in Frank Yerby's The Foxes of Harrow2020

    • 著者名/発表者名
      Satoru Nagao
    • 雑誌名

      多民族研究

      巻: 13号 ページ: 105-128

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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