研究課題/領域番号 |
16K02516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
石塚 則子 同志社大学, 文学部, 教授 (80257790)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | イーディス・ウォートン / ドメスティシティ / ジェンダー・スペース / 室内装飾 / キャサリン・ビーチャー / アンドリュー・ジャクソン・ダウニング / 住宅建築 / 男女の領域分離 |
研究成果の概要 |
20世紀世紀転換期に活躍したイーディス・ウォートンの場合、西洋建築への造詣や自身の邸宅建築にかかわった経験が、作家としての自己形成に大きく寄与した。本研究では、ウォートン自身の私的営みとしてではなく、19世紀前半からの近代化に伴う室内装飾や住宅建築の変遷、さらに男女の領域分離主義やドメスティシティ言説の背景を考察しながら、女性空間創出のエンパワーメントの文脈で建築と創作の連携を考察した。さらに、アメリカにおける住居観を敷衍するため、アンテベラム期のアンドリュー・ジャクソン・ダウニングやキャサリン・ビーチャーの論考を考察し、住居におけるジェンダー空間構築の軌跡を検証した。
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自由記述の分野 |
アメリカ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イーディス・ウォートンの空間造形の営みと作家としての自己形成の過程を、単なる私的営みとしてその軌跡を考察するのではなく、19世紀前半から喧伝されるドメスティシティ言説、男女の領域分離言説、ヴィクトリア朝文化から新古典主義への建築様式の変遷などを敷衍しつつ、女性空間創出のエンパワーメントの文脈で再定置することが、本研究の独創的な点である。こうしたウォートンの建築的想像力がどのように文学テクストに投影され、また20世紀転換期においてジャンル・ジェンダー・国境を越境しながら、女性が公的空間を創造し社会進出を遂げていくプロセスと連動するのか、学際的なアプローチで文学研究に新たな展開を提起した。
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