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2020 年度 研究成果報告書

クローデルの日本論に見られる東洋思想の影響と新トマス主義との関連についての研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02543
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ文学
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大出 敦  慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (90365461)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードフランス文学 / 日仏文化交流史 / クローデル / 比較文学 / 象徴主義 / トマス・アクィナス
研究成果の概要

本研究は、1921 年から1927 年にかけて駐日フランス大使として日本に滞在したポール・クローデルが著した日本論から日本の古典文学・芸能、国学、神道、仏教・老荘思想からの影響を分析し、これらをクローデルがトマス主義と関連づけて理解し、自己の文学に反映させていく過程を明らかにするものであった。クローデルは、本居宣長、平田篤胤の国学思想からとりわけその死生観、魂観に関心を寄せ、それが彼の日本理解の基本となったことを浮き彫りにできた。さらにクローデルは、こうした国学思想をトマス・アクィナスを用いてスコラ学的に読み換え、日本の絵画や芸能は超越者を認識する媒介であると考えていたことを明らかにした。

自由記述の分野

フランス文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

これまでのクローデル研究では、日本文化の理解者、紹介者という面の分析が強かったが、本研究では、クローデルが日本の古典芸能や古典文学を受容し、それを意図的にスコラ学で読み換えて換骨奪胎し、独自のものにしていることを分析した。そのことによって単なる日本理解者・紹介者ではなく、クローデルの文学活動の本質的な部分で日本文化と関わっていることを明らかにできた。こうして得られた成果は、2018年の一連の企画、とりわけ神奈川近代文学館で行った展覧会と日仏会館で行った国際シンポジウムを行ったことで、日本のフランス学の基礎を築いたにもかかわらず、あまり知られていないクローデルを再評価する契機を作ることができた。

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公開日: 2022-01-27  

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