研究課題/領域番号 |
16K02544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
笠井 裕之 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (10265944)
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研究分担者 |
朝吹 亮二 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 名誉教授 (70159383)
松田 健児 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (70548255)
朝木 由香 神奈川県立近代美術館, その他部局等, 研究員 (50450797)
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研究協力者 |
田中 淳一
森山 緑
山腰 亮介
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 瀧口修造 / ジュアン・ミロ / シュルレアリスム / 山中散生 |
研究成果の概要 |
戦時下の思想統制の激化とともに日本のシュルレアリスムは途絶したとの見方がある。本研究メンバーは、瀧口修造による戦前のシュルレアリスム運動と、戦後の国境とジャンルを越える共同制作の実践とを「共同性」の観点から捉え直し、日本のシュルレアリスムを戦前と戦後を一貫する運動として跡づけることを試みた。特に瀧口とジュアン・ミロの共同作業に関する資料の実証的研究を通じ、両者の往復書簡資料集を刊行するための作業を行なった。
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自由記述の分野 |
20世紀フランス文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)瀧口のように「作品」「完成」の概念に根本的な疑義を呈した作家の場合、未完の草稿、メモなどの断片がいかに制作に関与したかに本質的な意味がある。一次資料の調査から出発し、作品の生成過程に密着する本研究は、文学史・美術史の影に隠れた創造の機微に光をあてるものである。 (2)瀧口の戦前と戦後の活動を一貫した視座で捉え直した本研究は、従来、戦争によって断絶したと解されてきた日本のシュルレアリスム史に新たな見解を開くものとなるだろう。 (3)現在刊行準備中の瀧口とミロの往復書簡資料集は、二冊の詩画集の制作過程を双方向から実証し、共同作業の現場を浮き彫りにするもので、高い資料的価値を有すると考えられる。
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