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2018 年度 研究成果報告書

巻子本からコーデクスへ―「マルギナリア」を手がかりにして

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02549
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ文学
研究機関早稲田大学

研究代表者

瀬戸 直彦  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30206643)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード写本 / トルバドゥール / 中世南フランス / ジラウト・デ・ボルネーユ / 校訂 / フラメンカ
研究成果の概要

中世オック語(南仏語)の写本のひとつに,欄外の挿画として,テクストを巻物に記している姿が描かれていることに着目して,中世の抒情詩がもともと口承で伝えられたのか,あるいは最初から書記化されていたのかという問題を考察するために始めた研究である。具体的には,二つの軸を中心に研究を進めていった。
ひとつは,ジラウト・デ・ボルネーユという12世紀後半の著名なトルバドゥールの一作品の諸写本の検討とその校訂について,もうひとつは,現在カルカッソンヌに保存されている写本が唯一伝える『フラメンカ』という韻文物語の,とくに後半部分の解釈と,伝承過程における写本の脱落ないし抹消部分への着目である。

自由記述の分野

中世フランス文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

中世の作品が口承によるものか,最初から書記化されていたかという問題はジャンルによっても時代によってもアプローチの仕方が異なる。一律に解答が出るわけではない。本研究においては,12世紀末のオック語詩人のじっさいのテクストをもとに解釈をほどこし(内的な批判),ヴァリアントを勘案して校訂のさいの欄外挿画の意味(外的な批判)をさぐってみた。口承という曖昧な概念ではなく,諸写本に書記化されたそのテクストを地道に検討すること,また,抒情詩だけではなく,長い物語(『フラメンカ』)を俎上にのせることによって,唯一残されたその写本のマテリアルな姿(脱落・抹消など)を現代のわれわれがいかに受容すべきかを示した。

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公開日: 2020-03-30  

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