研究課題/領域番号 |
16K02555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
渡邉 直樹 宇都宮大学, 国際学部, 特命教授 (50167152)
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研究協力者 |
ハーバーラント デートレフ
岡野 薫
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ケンペルの『日本史』 / 「神・自然・天」の概念 / 孔子と儒教・朱子学 / 日本の宗教・神道 / 多元的相対的比較 / 「鎖国論」の意義 / 江戸参府紀行 / モンテスキュ・ディドロ・カント |
研究成果の概要 |
1790年から2年間長崎出島オランダ商館医師として日本に滞在し、手稿「今日の日本」を遺し、18世紀ヨーロッパにおける総合的日本観の形成に寄与したドイツ人ケンペルについて、日独研究者の協働による総合的分析を試みた。ケンペルの観察方法の最大の特徴はヨーロッパ中心ではなく、日本の思想構造をも踏まえた相対的比較の視点にあり、このことは、例えば江戸幕府の「鎖国」政策をポジティブに論じた考察に見て取られる。ケンペルの多元的相対的比較の方法は17世紀の終わりにおける日欧の思想や思考方法の相違よりも、むしろ接点をあらわすものであり、本研究は、日独協働によるケンペル研究の深化・発展に貢献するものといえる。
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自由記述の分野 |
ドイツ文学・思想
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:現在、江戸時代の文化・社会の再評価が多様な観点の下で行われている。オランダ商館医師として1690から2年間日本に滞在し、「鎖国論」を含む「ポジティヴ」な日本報告(『日本史』1727)を遺したドイツ人・ケンペルの多元的相対的比較の方法を特に分析し、日欧の思想史的接点の証明を試みたこと。 社会的意義:これまでケンペル研究は、日独個別に関心対象を研究する傾向があったが、日独両国研究者が協働して普遍的総合的ケンペル研究を目指すという目的において、ドイツ人研究者Prof.Dr.Detlef Haberlandを招聘し講演会を開催し討論・情報交換ができたことおよび相互協力関係が構築できたこと。
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