研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、ゴルドーニのオペラ作品を中心に、18世紀イタリア・オペラ台本の女性登場人物を分析、考察することを通して、そこに表れた社会の変容や作者の創作理念を探るものであった。その成果として、①台本に描かれた女性像に社会の変容と、それに伴う作者の理念の変化が表れていることが分かった。②台本作者が社会の変容を受けた自身の理念だけでなく、上演地や劇場の観客層を考慮に入れて、女性像に反映させていること、上演地や観客層により、描き分けを行っていたことが検証された。
イタリア演劇、イタリア文学
学術的には、18世紀のイタリア・オペラ台本に見られる作者の創作理念や社会の変容を探る研究は過去にも存在したが、それらを描かれている女性像を通して探るという手法は類を見ないもので、新たな台本研究の方法を示すことができた。社会的には、研究期間の最後に参加者百名以上を集めた一般公開のシンポジウムを開催したことで、研究成果を社会に還元することができた。