研究課題/領域番号 |
16K02561
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
武村 知子 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (60323896)
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研究分担者 |
古澤 ゆう子 一橋大学, 名誉教授 (00173534)
三田 順 北里大学, 一般教育部, 講師 (20723670)
清水 朗 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30235642)
山室 信高 東洋大学, 経済学部, 講師 (30755236)
三瓶 裕文 一橋大学, 名誉教授 (40127402)
藤野 寛 國學院大學, 文学部, 教授 (50295440)
尾方 一郎 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (80242080)
久保 哲司 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90170026)
小岩 信治 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (90387522)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | テクスト / モラル / 文学 / 人文学 / 情報 / メディア / 教養 / 倫理 |
研究実績の概要 |
2017年度の諸研究活動の中で、本研究テーマの主軸となるものは、次の四点である: 1)学術研究会「一氾文学会」創立(2017.09.01) 2)「スロヴェニア映画上映会@一橋大学」創始、第一回(Vol.1『ピラン/ピラーノ』)開催(2017.12.21) 1)は、研究代表者が長年のゼミナールでの経験・研究の蓄積および前年度(2016年度)に明らかになった当研究の方向性に基いて、研究者をめざす若手の人たちと共に企画実現したもので、既存の学術の枠組みを慎重にシャッフルすることで、人文学の成果と意義を広く豊かに呈示しうる新たな場の草創を目的とする。2018年4月現在、機関誌および学術論文誌の創刊号をそれぞれ準備中である。この営為との関連において、代表者の所属機関の開講科目として「文学概論」講義枠を新たに設けて文学/人文学の枠組みの捉え直しの端緒とし、その一環として、講演会「本をめぐる物語」Vol.3、白井敬尚特別講義『組版造形とブックフォーマット』」(一橋大学言語社会研究科及び一氾文学会共催、2018.02.01)を催した。2)は映画上映会というもののより有為な形態を模索する企画として立ち上げられた。スロヴェニア文化の日本への紹介という目的もさることながら、独自字幕を作成(三田)しての映画上映に加えてa)歴史的・政治的背景に関する専門レクチャー、b)映像分析に基づく表象文化論的アプローチのパネルディスカッション、をともに行い、多角的に映画を深く理解するためのプログラム構成を特色とする。また同時に会場設営の上でも、映画と議論とを心地よく楽しむ場をつくるための工夫を実験的に施した。これらの営為は2018年度にも継続される。 他に、2016年度に創始した国立市公民館との連携企画「くにたち教養マッピング」も継続された。また、各研究分担者の個別研究においても、それぞれ有為な研究が営まれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二年目にあたる2017年度は、研究継続および、有効な発信方法検討の年として計画されていたので、おおよそ当初の予定通り進んでいるといえる。2017年度には目に見える成果が比較的少ないが、それはもっぱら、最終年にあたる2018年度に多くの成果公開(著書刊行、ウェブ公開など)が予定されていることによる。 当初計画で2017年度後半に中間経過のまとめとして小規模な講演会・シンポジウムなどを行うとしていたが、それに該当するものとしては、上記の講演会・映画会の他、「F.ダーン『オーディンの慰め』を読むフロイト」金関猛講演会(藤野、2018.2.19)などがある。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度の活動において明確になった二つの方向性のうち、俯瞰的視点による人文学の責務の検討については、2017年度に創立した一氾文学会の活動および国立市公民館との連携企画、映画上映会企画をはじめいくつかの実際的活動を主軸に継続する。 現代のIT情報社会におけるテクストの作成・流通におけるリテラシー及びモラルの問題に関しては引き続き研究努力を傾注する。他方、個々の具体的検討課題へのミクロな視点からのアプローチに関しては、基本的に、引き続きおのおのの研究分担者の活動に委ねる。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用額が発生した理由および使用計画は以下の通りである。 1)1名の研究分担者が大きく体調を崩し、予定していた研究の一部の一時中断を余儀なくされた。初年度(2016年度)の配分額も併せて当該年度(2017年度)に使用を予定していたため、大きな残額が生じた。このぶんについては一部を研究代表者が預かり、最終年度における成果公開費に加えるものとする。 2)当初予定していたよりも成果公開に費用がかかる可能性が生じてきたため、上記1)のぶんと併せ、代表者が預かっている成果公開費の一部を最終年度へ持ち越すこととする。
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