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2018 年度 研究成果報告書

〈希望と遺産継承の思想〉―ランダウアーからブロッホに至るアナーキズムの射程

研究課題

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研究課題/領域番号 16K02563
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ文学
研究機関新潟大学

研究代表者

吉田 治代  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70460011)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードドイツ思想 / ドイツ文学 / アナーキズム / 社会主義 / 文化多元主義 / 文化の遺産・記憶論
研究成果の概要

本研究は、エルンスト・ブロッホにおける「遺産」概念、および「遺産継承」という実践について、グスタフ・ランダウアーとフーゴ・バルのアナーキズムからの影響を跡付けながら解明することを目的とする。成果として次の三点が挙げられる。1)ナショナリズム、帝国主義、資本主義、マルクス主義に対抗しながら、それらのイデオロギーによって抑圧され、忘却された過去の思想を現在へと想起するというアナーキズムの独自の歴史哲学を解明した。2)このアナーキズムを受けとったブロッホの思想は、宗教も含む思想伝統を遺産相続する「保存するユートピア」と理解できる。3)バルの〈キリスト教的アナーキズム〉とブロッホへの影響を解明した。

自由記述の分野

文学・ヨーロッパ文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

1)歴史批判的アプローチによって、「マルクス主義」にのみ還元されないブロッホ思想の読解を進めた。2)長らく閑却されてきたランダウアーとバルのアナーキズムについて、最新の一次/二次資料を分析してその全体像を明らかにし、またブロッホに関する研究と突き合わせることで、「遺産相続」を基とする多元主義的ユートピア思想の源泉を特定した。3)「ダダイズム」という枠を超えて、バルの〈キリスト教的アナーキズム〉を解明し、そのブロッホへのインパクトを明らかにした。4)スイスからブロッホ研究者を招聘して、ブロッホの宗教思想、ひいては社会主義と宗教という、20世紀思想の重要な問題の再考を促す議論を提示した。

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公開日: 2020-03-30  

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