• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 研究成果報告書

19世紀のさまざまなニーベルンゲン作品と「ドイツ的なもの」の成立―正統性と虚構性

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 16K02566
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ文学
研究機関京都大学

研究代表者

奥田 敏広  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60194495)

研究分担者 Trauden Dieter  京都大学, 人間・環境学研究科, 外国人教師 (20535273)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードニーベルンゲン / 中世伝説 / 近代市民社会
研究成果の概要

ニーベルンゲン伝説に関してはワーグナーの『ニーベルングの指環』が有名であるが、18世紀後半の「ニーベルンゲン手稿」の発見以来、その後の19世紀には、ワーグナー以外にも実に多くのニーベルンゲン作品が作られていた。必ずしも注目されないまま伝承されてきた伝説が、突如「国民叙事詩」となったのである。
本研究では、そのような中で代表的なフケー、ヘッベルおよびガイベルのニーベルンゲン作品を取り上げて、それらの中に本当に「国民的」なもの、すなわち「ドイツ的なもの」が含まれているのか、またそうだとするならその「ドイツ的なもの」のとはどのようなものなのを、当時のドイツの社会と政治を背景に明らかにした。

自由記述の分野

ドイツ文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

20世紀の後半以来のドイツにおいては、2度の大戦の元凶になったナショナリズムへの反省から、、ニーベルンゲン作品を「国民叙事詩」として取り上げることに警戒が強く、ワーグナー以外には研究があまり進んでいない。そのような状況の中で、ドイツ「国民」と「ドイツ的なもの」に容赦のない実証的な分析を試み、その「正統性と虚構性」を明らかにした本研究は、その視点と対象の独自性、およびその先入観のない公正性によりすぐれた学術的価値を有している。
グローバル化と多文化主義のせめぎあいは、現在世界が直面している最大の課題の一つであるが、本研究における「国民」の分析は、そのための一つの基本となる考察を提供している。

URL: 

公開日: 2021-02-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi