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2020 年度 実施状況報告書

漢代における物語のジャンル横断的研究―古代的宗教世界の解体を承けて

研究課題

研究課題/領域番号 16K02581
研究機関東京大学

研究代表者

谷口 洋  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40278437)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワード中国文学 / 漢書
研究実績の概要

本年度は、当初の計画期間を延長して、研究をより高いレベルで完成させることを意図していた。具体的には、これまで作成してきた『漢書』礼楽志訳注について、全体のブラッシュアップを経て、公刊できる水準と形式とを備えたものを完成する計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、各大学・機関の図書館が利用できない時期があったため、6月頃まで計画は完全にストップした。その後、所属機関の図書館は徐々に利用可能となり、他機関の蔵書も相互利用はできるようになったが、資料調査に際して大きな制約を受けることを余儀なくされている。オンラインの資源を活用することで、かなりの程度までカバーはできるものの、書物を手にとっての調査が自由にできないことは、本年度の研究計画に対して大きなダメージとなったことを認めざるを得ない。
このような状況をふまえ、また研究期間が延長されたことを生かすために、前年度までに進めてきた研究を補完するような論考の執筆も検討した。しかし、感染症拡大による授業形態の変更や、その他さまざまな事態に対応するため、研究以外にも教育や学生対応・大学運営において多くの業務が発生し、時間と精力を奪われることとなった。海外で計画されていた学会も軒並み中止となり、わずかにオンラインで開催された国際フォーラムにおいて簡単な口頭発表をしたにとどまる。そこでも準備期間と会議の議題との制約から、本研究の成果を前面に出したものであるよりは、漢文訓読に基礎をおいた日本の学界の研究手法に焦点化したものとなった。
以上の理由により、本年度の研究完成は断念せざるを得なくなったため、再延長を申請することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、研究の完成を意図していたが、予定していた研究を進められなかったため、研究全体の完成をみることはできなかった。ただし、本研究の他の内容は前年度までに実現しているので、研究全体として見れば、深刻な遅れを生じているわけではない。

今後の研究の推進方策

研究期間の再延長が認められたため、残り1年で確実に実行する。事態が大きく変わったわけではなく、資料へのアクセスにはいまだ制限も多く残っているが、本年度の経験をふまえ、対応策を計画的に準備して臨むことで乗り切りたい。

次年度使用額が生じた理由

本年度予定していた資料調査が、新型コロナウイルス感染症流行の影響により実施できなかったため、次年度使用額が発生した。当該助成金は、本年度予定していた作業を次年度に実行するために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 日本漢文訓読・漢文教育与日本漢学家的研究方法2020

    • 著者名/発表者名
      谷口 洋
    • 学会等名
      理論与方法:海外中国学論壇(2020)研討会
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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