研究課題/領域番号 |
16K02607
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
目野 由希 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (20338289)
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研究分担者 |
藤井 毅 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20199285)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 日印交流史 / ペンクラブ / イギリス連邦史 / ベンガル知識人 / 日本ペンクラブ / インド文学者 / 日中印関係史 / 日本文学 |
研究実績の概要 |
2016年度は、2016年7月16日、2016年10月22日、2017年1月28日の3回、共同研究会を行い、研究討議、研究の方向性の検討を重ねた。7月と10には研究会の方針調整と討議、1月にはハイデラバード英語外国語大学からハイデラバード英語外国語大学のタリク・シェーク助教授をインドから招聘して、新資料の読解を含む研究報告を依頼した。また2月には、秋田県立大学の江口真規助教に、本件テーマに関する資料調査のため、イギリス・ロンドンのブリティッシュ・ライブラリーへの出張を依頼した。 上記研究会と出張調査により、大きく3点の研究上の成果・進捗があった。 1.本共同研究は、2010年から2012年の科研費共同研究によって発見された大量の新資料を、整頓・討議・解釈・クロスチェックしつつ論文化をはかるものである。2012年までに発見された新資料のうち、ベンガル語資料が混ざるために5年間未調査のままであったベンガルペン資料群の内容が、タリク・シェーク発表によって初めて明らかにされた。それによって、現在までの日印交流の基礎となる1930~1940年代親日的ベンガル知識人グループの、インド国内の動向の一部が新たに解明された。 2.江口真規助教のブリティッシュ・ライブラリー調査によって、これまで全く注目されてこなかった親日的インドペンクラブ会員、スディンドラナート・ゴーシュの1930ー1950年代ロンドンにおける動向が、初めて調査され始めることとなった。現時点ではまだ新資料発見の段階であり、成果発表は、2017年後半以降になされる。 3.共同研究討議の熟成により、現在のインドの大学教員たちとの交流事業が活性化し始めた。この活性化した状況を、そのまま2017年の研究交流につなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで未調査だった新資料群の解明・クロスチェックのための新たな資料調査の成功など、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1.2012年度までに発見された資料のうち、手付かずになっているものはまだ多いので、これを整頓し、内容を発表していく。 2.1のうち、特に東ヨーロッパと中国に関して整頓と公開にとりくむ。 3.これまでの研究成果の活字化をはかる。 4.インドの大学との日本との研究交流を、より活性化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年1月下旬タリク・シェーク助教授の東京長期にかかる経費、2017年2月下旬江口真規助教のロンドン出張にかかる経費のうち、ルピーの変動およびポンドの変動という通貨変動の幅が想像以上に大きかった。そのため、両名の来日・渡英が数日ずれるだけで、マイナス5000円~プラス5000円程度の経費執行のズレが生じる環境にあった上、両名の海外出張期間がすでに年度末にかかっており、経費の調整が困難であった。 そのため、タリク・シェークおよび江口真規が経費の節倹におおいに努め、その結果として、年度末の間際に、若干の剰余金が出た。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、上記の通り、「通貨変動幅によって、年度末の出張経費が節減された結果の、わずかな額」である。そのため、特に2017年度研究計画に大きな変動がでるほどの執行計画は特に予定していない。
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