1)アフリカの民話の心性分析に関する国際的共同研究の成果の公開と議論のために、2018年11月2日にパリのセーヴル学院で国際シンポジウム「民話に見るアフリカの知恵、紛争解決の道具として」を開催、60人ほどの参加者を得た。 本シンポジウムでは、カメルーンの中央アフリカカトリック大学教授2名、フランスのアンジェ大学教授をはじめとする研究者と申請者が、それぞれ哲学、宗教学、社会学、文学、言語学の分野からアフリカの民話を分析し、発表と討論を行なった。申請者は異文化受容の一例として西・中央アフリカのイスラム教徒遊牧民に伝わる民話の文学的分析と、日本の昔話の比較分析を行なった。シンポジウムの成果は近日中に論文集としてパリのアフリカ世界協会から出版される予定。また本発表をもとに日本語論文「乱される「期待の地平」-サハラ以南の民話への異文化からのアプローチ-」を、『上智大学仏語・仏文学論集』53号に掲載した。 2)故江口一久国立民族学博物館教授が採取した民話の語りの音源資料のデジタル化とその保存と活用に関する活動としては、その音源資料の整理・分析の為に来日されたマルア大学のアダマ教授に面会し、研究指導を受けた。またトーゴのダンベルマ地区で収録された音源の活用可能性の検討については、在日トーゴ大使代理と面会、トーゴの文化財や資料の保存や研究に関する状況について説明を受け、今後もトーゴ大使館の支援を受けながら国立博物館の研究者のなかの音源資料の専門家と連絡を取り、トーゴにおける将来的な活用可能性について検討をするための活動を継続する予定である。 3)民話を利用した語学教育とアフリカの学生と日本の学生との交流については、コートジボワールの大学、CERAPのカボレ教授の支援を受けて、両国の学生のスカイプなどを利用した共同学習を企画、調整、継続し、その学習効果を検証している。
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