研究課題/領域番号 |
16K02614
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クィア理論 / 日本文学 / アフェクト・セオリー / 文学的想像力 / ジェンダー理論 / 3:11以降の文学 / 国際連携 |
研究実績の概要 |
2018年6月18日大阪府北部地震に被災(罹災証明書取得)して、以後その復旧に努めたが、7月の京都地方の酷暑(最大39,8度)によって2018年8月より体調を崩し、加療を余儀なくされた。当初研究計画の大幅な変更をせざるを得ない状況であった。10月以降に計画していた諸企画についても断念をし再度実行すべく、次年度に万全の形で実行することとし、本年度は休止のやむなきに至った。唯一、実行できたのは、2019年3月のアメリカアジア学会(AAS)に参加して、アメリカを中心とする日本近現代文学研究者と2019年度の計画を話し合うことが出来た。 2019年度においては2018年度に企画した理論論文集『日本文学とクィア理論』(仮題)の発刊に向けての準備を行うこと、それに関連するシンポジウムの開催という最終年度としての研究計画を実行していきたい。特に3:11以降の日本文学の状況とクィア理論との関連についてはこれまでも多く言及されてきたが、そうしたディザスターとの関連、あるいはそこから連環する情動理論(Affect Theory)との親密な相互性について考察を及ぼしていきたいと考えている。2019年12月にはその関係の研究会もパリ・イナルコにて開催される予定であるが、現在のところ参加を予定している。2018年度に積み残してしまった事案に関してはすべてを実行していきたい。それに加えて東アジアを中心として勃興しているクィア文学研究との連携を深めたく念じている。特に台湾政治大学との学術交流を一層に活性化する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要で述べた通り、本年度は被災、病気などの理由で、本年度に計画していた研究計画のほとんどを実行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、最終年度として、1)クィア理論と日本文学のテーマのもとに、アフェクト・セオリーの有効性を検証するシンポジウムを実施する予定である。2)同時に研究会を開催して、理論構築に努めたい。3)日本近現代文学とクィア理論の相互的連環を考察していくために、海外研究者との連携研究会を開催したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に事情が出来て、当初計画が実行できず、次年度への延長を依頼したため。2019年度最終年度の計画としては1)日本文学とクィア理論の論集出版計画2)研究会、およびシンポジウムの開催3)海外関連学会への参加4)東アジア研究所機関との研究交流を予定している。
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