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2018 年度 実績報告書

日本語複文構造の学習において役割を果たす生得的知識の同定について

研究課題

研究課題/領域番号 16K02621
研究機関横浜国立大学

研究代表者

藤井 友比呂  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (40513651)

研究分担者 時崎 久夫  札幌大学, 地域共創学群, 教授 (20211394)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード複文 / 補文標識 / 句構造文法 / コーパス / 刺激の貧困 / 対子供発話
研究実績の概要

本研究課題は、いわゆる「刺激の貧困」という考えかたに沿って、日本語複文の構成素構造が、第一次言語資料(対子供発話)だけに基づいては獲得しにくいのではないかという着想のもとに、実際に獲得しにくいと言えるのかどうか、獲得しにくいとすればどのような生得的知識が要求されるのか、といった問いに取り組んできた。最終年度に実施した研究においては、焦点を当ててきた日本語複文構造の獲得のみならず、刺激の貧困を利用する研究の方法論的基盤に関わる研究を展開することになった。刺激の貧困にもとづくアプローチにおいては、学習者が受け取る第一次言語資料および競合する複数の文法仮説を検討するが、その際に以下の3つのことが重要であることが明らかになった。(1)実際に問題にしている競合仮説をG1とG2とすると、G1、G2両方を許すような仮説空間が規定されていること。(2)ある文法仮説、例えばG3が与えられたときに、G3が仮説空間に含まれるかどうか自動的に決定できるように仮説空間が規定されていること。(G3も仮説空間に含まれ、G1とG2と違っているのであれば、競合仮説の集合に含めなければならない。)(3)1と2を達成する具体的な提案として、パラメタ設定のモデルを利用すると明示的な仮説空間の規定が可能になる場合があること。以上の観点から日本語複文構造の獲得のみならず、他の文法性質の獲得にかんする先行研究、とくに英語のone置き換えの研究について、上記の観点から方法論的な再吟味を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] Notes on the Learning of One-Substitution2019

    • 著者名/発表者名
      藤井友比呂
    • 学会等名
      明治学院大学言語学講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] Grammar Competition and Parametric Ambiguity2018

    • 著者名/発表者名
      藤井友比呂
    • 学会等名
      「日本語から生成文法理論へ : 統語理論と言語獲得」研究発表会
  • [学会発表] Poverty of the Stimulus as Parametric Ambiguity: The Case of Proform Replacement2018

    • 著者名/発表者名
      藤井 友比呂
    • 学会等名
      福岡言語学会2018年度例会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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