研究課題
30年度は最終年度でもあり、成果発表に力を注ぐことを念頭に以下のことを行った。①データ収集:前年度に引き続き、タンザニアで現地調査を行い、名詞修飾構文、動詞補文、条件文のデータ収集を行った。また、国際学会期間中にアフリカからの参加者に協力してもらい、データの確認も行った。フィパ語、ヤオ語については昨年度収集したデータの確認と補充をした。また新たにカグル語、ヘヘ語、パジェ語のデータを収集した。名詞補文に関係節を用いることができない言語では名詞補文と動詞補文に同じ補文マーカーが用いられる傾向があることが29年度の調査で明らかになったが、30年度に収集した新しい言語データもそれを裏付けるものであった。この結果を論文にまとめて、マイクロバリエーションの論文集に投稿した。また、これまで集めたスワヒリ語の名詞修飾構文のデータを体言化の視点から捉えなおすことを試みた。その結果、これまで関連づけて考えられることのなかったスワヒリ語の2種類の名詞修飾構文と動詞補文という3つの構文に連続性が見えてきた。これも論文にまとめ、現在投稿中である。条件節については、現在収集したデータを分析中である。②国際共同研究:4月末から5月にかけて、英国(ロンドン)とドイツ(ベルリン)に行き、共同研究者たちと共に、学会での共同発表と論文の共同執筆の準備を行った。③国際学会での成果報告:30年度はアフリカ言語学にとって重要な国際学会がいくつも開催された。2018年7月に南アフリカで開催された世界言語学者会議(ICL20)と国際バントゥ諸語学会(Sintu7)、8月にモロッコで開催された世界アフリカ言語学会議(WOCAL9)、11月にベルギーで開催された国際バントゥ祖語文法学会(International Conference on Proto-Bantu Grammar)で、計6本の口頭発表を行った。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
The Journal of Asian and African Studies.
巻: 96 ページ: 5-27
doi/10.15026/92788