従来、日本手話の条件文の特徴としては「前件(if節に相当)末尾に『うなずき』が見られる」という観察があった。データを分析した結果、日本手話の条件文には(A)うなずき型(B)ロールシフト型の二種類が存在することを明らかにした。(「ロールシフト (role shift; 以下 RS 」とは、日本手話話者が文を表出中、文中の人物の視線を取ることである。)その観察に基づき、日本手話の条件文の次の特徴を明らかにした。(1)手話言語の条件文は、うなずきを述部に表出するか、RSを用いることによって表出する。(2)RS型の条件文では、「軸」という談話役割が重要である。
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