研究課題/領域番号 |
16K02639
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
遠藤 喜雄 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (50203675)
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研究分担者 |
西垣内 泰介 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40164545)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | モダリティ / 副詞節 / 終助詞 / 局所性 / カートグラフィー |
研究実績の概要 |
研究代表者の遠藤は、口頭発表については、6月に関西言語学会のシンポジウムにおいて副詞節についての研究成果を招待講演で発表した。6月に韓国のソウル大学で開催されたSeoul National University International Conference on Linguisticsにおいてモダリティの部分の研究成果について口頭発表した。8月にエストニアのタリン大学で開催されたヨーロッパ言語学会において、モダリティーと格助詞の脱落について研究発表した。10月に中国の北京語言大学開催されたInauguration Ceremony of the Department of Linguistics at BLCU において終助詞の部分の研究成果について招待講演を行った。論文については、以下の通り実施した。(1)国際誌Linguistic Variationに掲載された。(2)国際誌Glossaに副詞節の部分を投稿し、受理された。 研究分担者のにし垣内は、「指定文」と「潜伏疑問」の統語構造と論理構造の分析を進め,その中で「自分」の解釈など「視点」に関わる要因が関与している現象についての分析を進めた。これらの構文に関わる省略現象の分析の中で,ロゴフォリックな要素の有無が関与することがあることを示した。「理由」と「原因」-- 「理由」を主要部とする連体修飾構造では「証拠性」(evidentiality)の文脈が生じ,「自分」のロゴフォリックな使用があること,それに対し「原因」を主要部とする連体修飾構造ではそのような文脈が生じないという現象について考察した。この内容は10月にStuttgartで行われたWorkshop “Logophoricity and Perspectivization in Wackershofen”で招待発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
副詞節の基本的な構造とwh疑問文の部分については、研究成果の一部が国際誌に2つ受理された点で順調に研究計画が進んでいる。副詞節とモダリティの部分については、一部を金管の本に組み込む見通しがついた点で順調に研究計画が進んでいるが、まだ十分には洗練された状態にはなっていない。モダリティーについては、ヨーロッパから出版される本に収納する誘いを受け、審査の結果、論文が受理され掲載されることになった点で順調に研究が進んでいるが、最終原稿がまだ完成しておらず、まだ十分ではない。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者とのモダリティと副詞節の関係を詰めることを目指す。最終的には、論文に形にすることを目指す。多様な構文に見られる「自分」や主観性を表す言語表現のふるまいに関して「視点」に関わる統語範疇(「視点」投射)が関与していることを示すことが本研究 の一次的な目的であり,これまで「指定文」「潜伏疑問」「XをYに」構文などに関連して,それぞれまとまった業績をあげている。「阻止効果」について,Nishigauchi (2014) に対する反応が中国語,韓国語に関する研究の中で出ているので,今年度以降の研究の中で中国語,韓国語に力点を置いた「阻止効果」の研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の本の出版が遅れているため
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