研究課題
最終年度にあたる本年度は、日本語と沖縄語那覇方言の存在量化表現の比較対照研究、およびさらなる発展として日本語の不定語の内部構造の基礎研究を行なった。尚、予定されていた沖縄語那覇方言のフィールドワーク調査はコロナウイルスの影響で中止を余儀なくされたため行うことができなかった。9月にはモスクワ大学で開催されたWAFL15において日本語の無条件節における裸不定語の認可についての口頭発表を行った(お茶の水女子大学の中西公子氏との共同研究)。本研究では不定語に必ずしも顕在的量化辞が必要ではないことを明らかにした。論文は来年度出版される予定である。10月には同じく中西公子氏との共同研究として、裸不定語が示す局所性に関する口頭発表を行った。こちらも論文は来年度出版される予定である。11月にはMITにおいて開催されたNELS50に参加し、名詞構造の研究者らと研究打ち合わせを行った。1月にはニューオーリンズで開催された第94回アメリカ言語学会年次大会において、沖縄語那覇方言の存在量化表現の統語構造について研究発表を行い、これらが係結びと削除により派生されることを明らかにした。また、日本語の無条件節における裸不定語の認可についての研究発表を行った(お茶の水女子大学の中西公子氏との共同研究)。大会プロシーディングズに出版された。これらに加えて、日本語の裸不定語に関する記述的研究(お茶の水女子大学の中西公子氏との共同研究)が2019年11月に刊行された論文集に出版された。また、2019年12月にはCountersluicingに関する論考(小林仁朗氏との共同研究)が国際雑誌Syntaxに出版された。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
Proceedings of LSA
巻: 5(1) ページ: -
10.3765/plsa.v5i1.4705
10.3765/plsa.v5i1.4706
極性表現の構造・意味・機能(澤田治・岸本秀樹・今仁生美(編))
巻: Chapter 6 ページ: 154-179
Syntax
巻: 未定 ページ: -
10.1111/synt.12190