研究課題/領域番号 |
16K02652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 武庫川女子大学 (2020-2022) 九州国際大学 (2016-2019) |
研究代表者 |
日高 俊夫 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (50737525)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | レキシコン / 語彙概念構造(LCS) / 特質構造 / 百科事典的知識 / 命題的意味 / 非命題的意味 / 推意 / 視点 |
研究成果の概要 |
開始付近を表す「V-始める」「V-かける」「V-だす」「V-てくる」、終了付近を表す「V-切る」「V-ぬく」について、命題的意味や視点的意味、非命題的意味およびそれらの関連性を踏まえたを意味構造を分析・記述し、その上で統語構造との関連性についても議論した。また、近年意味用法が変化していると思われる「普通に」についても命題的意味と非命題的意味を軸に考察し、動詞の文法化と同様の変化を示しているという示唆を得た。英語については、所有を表すhave gotとgiveを主動詞とする軽動詞構文を分析し、非命題的意味である発話行為的意味が重要な役割を果たしているとの分析結果を得た。
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自由記述の分野 |
語彙意味論、統語論、語用論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
語彙意味論では、動詞の真理条件的意味を記述するLCS (語彙概念構造)を用いて同値類を括り出し、動詞の意味と統語構造との関係が議論されてきた。また、Pustejovsky (1995) 以降は、いわゆる百科事典的知識とされる非真理条件的意味も一部語の特質構造に属する意味要素として取り入れ、レキシコンと語用論とのインターフェイスを理論的に扱うことが可能になったが、これらの意味のレキシコン理論内での扱いについて未だ共通見解はない。本研究はレキシコンにおける真理条件的意味と非真理条件的意味の位置付けとその関係性を論じたという意味で、その課題解決を目指すための解答例を示したものと位置付けられる。
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