研究課題/領域番号 |
16K02661
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
谷口 龍子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20570659)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 日台国際結婚家庭の児童 / バイリンガル / ナラティブ・データ / 日本語人意識 / 日英国際結婚家庭の児童 |
研究実績の概要 |
昨年度に続き、日台国際結婚家庭に生まれた国際児に対して日本語と中国語で聞き取り調査、および同じ事柄の記述について両言語によるナラティブデータを収集を行った。8月27日から8月30日まで台湾に出張し、27日に国際児である姉妹にインタビューを行った。分析途中ではあるが、両親の出自の組み合わせや家庭環境により、それぞれの言語に対する思い入れの違いが異なることが明らかになりつつある。また、それと日本語能力との相関関係はないこともわかった。また、場面や立場に応じて言語アイデンティティを使い分けることもあることが観察された。 さらに、日台の国際児童と比較対照を行うため、オーストラリアで日英バイリンガルの調査を実施した。11月23日にメルボルン大学の教員と面会し、オーストラリアにおける言語混用の在り方や言語同士の力関係についてに話を聞いた。同日にメルボルン大学日本語倶楽部のリーダーである学生に日英バイリンガルの言語使用や日本語学習者に関して話を聞いた。24日午前に日英バイリンガルの若者2名にそれぞれ聞き取り調査を行い、録音データを収集した。現在、フレーム理論により分析を進めている。日台国際児と異なり、オーストラリアでは日頃、英語使用の場面が圧倒的に多いが、人格形成期が過ぎると日本語に興味を持ち日本語学習を望む国際児も出てくることがわかった。 研究協力者との連携については、8月28日に台湾の研究協力者、清華大学教員3名と研究内容、分析の担当、研究発表の方法について打ち合わせを行った。8月29日は同じく研究協力者である元智大学副教授と分析の手法について打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに5名の日台国際結婚家庭に生まれた国際児にインタビュー調査を行っている。また、比較対照のために、オーストラリアにおける日英国際結婚家庭の国際児2名にもインタビュー調査を行った。 日英国際結婚家庭の子供との比較対照は、当初の予定ではなかったが、日台の国際結婚家庭に生まれた国際児のアイデンティティや言語使用の特徴を観察するためには、異なる国際結婚家庭に生まれた国際児を比較対照することが肝要と考え、良い結果が出ている。 現在、文字化作業も7割程度終了している。分析の枠組みの精緻化を進めつつ分析も始めている。 また、研究協力者たちと最終年度に行う研究発表会について具体的な話し合いを行った。
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今後の研究の推進方策 |
インフォーマントをさらに数名増やし、データの文字化とコーディングを進めてゆく。 12月までに分析を終了、考察に進む。分析の枠組みとしてはフレーム理論など談話分析の手法で進める予定である。今後は研究協力者との連携を密に分析の枠組みや手法について煮詰めてゆく。日台の国際結婚家庭の国際児と日豪国際結婚家庭の国際児の言語アイデンティティと言語使用の比較対照については、批判的談話分析、言語とパワーとの先行研究を参照しつつ、分析を進めてゆく。 2019年2月に研究発表会を予定しており、その発表に向けて、研究協力者と発表準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に研究発表会を開催し、研究協力者3名を招聘するために費用が嵩むことから、次年度に少し持ち越すことにした。次年度の主な用途は以下の通りである。①次年度に研究代表者および連携研究者による台湾へ3回程度の出張、データの追加収集②データの文字化の謝金。③2月に東京外国語大学で開催する研究発表会への研究協力者3名の招聘、それに関わる渡航費、宿泊費、日当など。
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