研究課題/領域番号 |
16K02671
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎吾 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 講師 (20513360)
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研究分担者 |
矢放 昭文 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 招へい研究員 (20140973)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 切韻 / 韻書 / データベース / 中国語学 / 音韻史 |
研究実績の概要 |
中国語音韻史の中心資料である隋唐期の韻書、いわゆる『切韻』系韻書について、その各種テキストを全面的に整理分析し、研究の共通基盤を構築することは中国語史、また本邦の国語音韻史においても非常に大きな意義を有する。申請者の中長期の目標は、かような共通基盤を構築した上で、『切韻』増補の詳細な過程を探ることにある。 前回の科研研究では『切韻』佚文データの整理・公開を行ったが、今回は本命たる『切韻』の残巻そのものをデータ化し、残巻毎の状況を一覧できるデータベースを構築し、今後の『切韻』研究においてこれらの資料を縦横に活用できるように整備することを目的とする。 今回の課題はもともと3年計画であったが、データ化の対象とする資料が膨大で、3年で終了を見なかったために1年間延長して事業を遂行した。最終年度の今年は特にユニコードで定義されていない異体字の処理を行った。対応する文字の画像を指定しつつ、代替字体も入力した。これにより、表示は画像によりつつ、代替字による検索も可能とした。 また、前回科研までに完成していた中古音の韻図(「Web韻図」)および『切韻』佚文データベースと接続し、相互に参照することを可能にした。これにより、当初目標としていた『切韻』系韻書の総合データベースは一応の完成を見た。今後はこれを起点に、上古音に関するデータベースを構築すべく、準備を行っている。 なお、本課題の成果の一部について以下の研究会で発表を行い、有益な助言を得ることができた。 中古期の韻書、第64回国際東方学者会議 SYMPOSIUM II 「中国中古期・日本の古辞書研究の現在」、日本教育会館、2019年5月18日
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