海外メディアでは原発事故の現場作業員が英雄視され、また彼らを積極的に賞賛する一方、国内メディアでは「ヒーロー/英雄」は地の文ではなく(広義の)直接引用内で使われ、そうでない場合はその英雄視に否定的であることがわかった。その理由として、戦後の日本におけるヒーロー観が変容した可能性を示唆した。 また、原発事故に関する米紙の原文記事とその和訳記事の相違点を分析した結果、原文記事が原発事故を戦争と捉え、また事故対応従事者(とその家族)の生々しい声や彼らが直面する危機を伝えるのに対し、その翻訳記事ではそのように捉えず、かつ彼らの声を伝えないことから、国内メディア同様に報道が抑制的であることがわかった。
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