研究課題/領域番号 |
16K02675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
遠藤 史 和歌山大学, 経済学部, 教授 (20203672)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ユカギール語 / 通時的研究 / 歴史統語論 / 歴史語用論 / コリマ・ユカギール語 |
研究成果の概要 |
帝政ロシア時代の民族学者ヨヘリソンによる19世紀末のユカギール語の資料に基づいて、当時のユカギール語の文法構造を分析した。その結果に基づいて、現代のコリマ・ユカギールに至る変化を実証的に明らかにし、変化の要因について考察した。歴史統語論の視点からは、引用構文の発達、および文法化の過程による迂言的過去の歴史的形成を論じた。また、歴史語用論の視点からは、伝聞法の用法の変化について検討するとともに、文法的焦点現象とその文体的効果について論じた。また節連鎖について、この一世紀余りの間での節連鎖の著しい発達を指摘するとともに、副動詞の形成と文法化による節連鎖の発達の可能性を論じた。
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自由記述の分野 |
言語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
帝政ロシア時代の民族学者ヨヘリソンが収集したユカギール語資料は、19世紀末の時点におけるユカギール語の一次資料として貴重な言語学的資料であるにもかかわらず、ユカギール語研究の中では注目されてこなかった。この記録に光をあて、言語学的な分析を加えることで、ユカギール語研究の領域を拡大させることが可能であることを示した。共時的記述と比較言語学的探求という2つの分野において進められてきたユカギール語研究には、実証的データに基づいてユカギール語内部の歴史的変化を研究するという通時的研究の領域が欠落していた。この新たな領域に向けて研究を進めることにより、ユカギール語研究の新たな可能性を示すことができた。
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