| 研究課題/領域番号 |
16K02676
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| 研究機関 | 岡山大学 |
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研究代表者 |
栗林 裕 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30243447)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | トルコ語補助動詞 / ウイグル語 / 複合動詞 / チュルク諸語 / ナル的表現 / 名詞修飾表現 / 関係節 |
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| 研究実績の概要 |
令和元年度（平成31年度）の当初の全体的な研究実施計画予定は以下の通りであった。
本年度は研究の総括と補充調査の実施に重点を置くことを予定していた。
1)研究協力者の日本への招聘と講演会の開催, 令和元年（平成31年）9月、 2）国際学術雑誌への論文投稿 令和元年12月、3) 母語話者の招聘 令和2年1月、 4)調査結果概要のインターネットへの公開 令和2年3月
このうち、当初計画の2)については、昨年度の国際学会での研究発表に基づく論文を投稿し、現在審査中である。また、1）と3）については5月にオーストリア国立図書館において、チュルク諸語のうちカラハン・トルコ語や関連諸言語についての歴史的資料についての文法書や論文を中心に資料収集を行った。また、8月にはウズベキスタンに渡航しウズベキスタン科学アカデミーおよびブハラ国立大学所属の連携研究者との学術交流を行い、また関連する資料収集を実施した。本研究では、共時的な記述研究と共に歴史的な側面からも動詞複合体の構造を分析することに大きな意味と重要性があるため、昨年に引き続き海外での資料収集を実施した。また名詞修飾表現についての共著論文を国内学術雑誌に投稿し、査読を経て出版された。2）に関連して、来年度開催の国際会議での研究成果発表の申請を行ったが、世界的なコロナ禍により、学会開催が延期されることとなった。同様の理由により、三月末に中国で開催予定であった国際学術研究集会も延期になり、参加および研究成果発表を実施することが出来なかった。しかし、この間に本研究課題を含む研究成果を単著『トルコ語とチュルク諸語の研究と日本語との対照』としてまとめる作業が完了し、令和二年度中に出版される予定である。4）については、現在準備中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はトルコ語をはじめとするユーラシア大陸全域に分布しているチュルク諸語における動詞複合体(複合動詞)の語形成パターンを精査し、そのバリエー ションを明確に提示すると共に、 同じアルタイ型言語といわれている言語タイプの中で、なぜ複合動詞のバリエーションに差異が見られるのかについて考察を深めるものである。研究期間を通しての重点項目は以下の通りである; 1)現地調査に基づく記述的資料、2)文献調査に基づく歴史的資料、3)言語理論の知見に基づく理論的アプローチにより総合的な視点からチュルク諸語に見られる動詞複合体の全体像の解明
今年度の主な研究活動と研究成果として、本年度5月にオーストリアに渡航し国立図書館等においてチュルク諸語の歴史的文献に関する資料収集を行った。 さらに8月にウズベキスタン共和国へ渡航し、現地の研究者との研究交流を行い、今後の研究推進について目処を付けた。本年度の研究内容は、動詞複合体の研究として:1)補助動詞「ol-」に関わる類型論的研究の進展、動詞複合体に関連する研究として:1)数量詞の連体修飾と副詞的修飾の関連についてのチュルク系諸言語内での類型論的研究の論文投稿、2)名詞修飾表現についてのトルコ語と他言語の対照研究の口頭発表(関西言語学会)である。年度末に研究集会を共同開催を予定していたが、コロナ禍により実施が延期となった(ユーラシア言語研究コンソーシアム)。 しかし、この間に本研究課題の総まとめとなる著書を校了まで進めることができたことは、大きな進展であると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和2年度は研究の総括に重点を置く。 1）単著の出版: 令和2年前半 予定、2）学術雑誌への論文投稿: 令和3年3月、
3）国際学術集会への参加と研究成果の発表: 令和3年3月、4）調査結果概要のインターネットへの公開: 令和3年3月
研究の細部において変更が生じることがあるが、柔軟に対応しつつ、当初計画から大幅に計画が変更にならないように留意したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
初年度に予定していた国際学会(国際チュルク学会)での発表が社会情勢による理由により学会開催が延期され、学会 発表は採択されていたにもかかわらず最終的に渡航することが叶わなかった。同国際研究集会は隔年開催なので、予定よりも1年ずらすことにより、最新の研究成果の発表を同国際学会(ICTL2020トルコ共和国にて開催)で実施される予定であったが、今回の世界的なコロナ禍ため延期になった。今年度中に開催されるかどうかは現時点では未定であるが、最新の研究成果の発表のための費用とする予定である。
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