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2017 年度 実施状況報告書

現代ドイツ語の書き言葉における現在完了形の使用実態に関する計量的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02678
研究機関広島大学

研究代表者

今道 晴彦  広島大学, 文学研究科, 准教授 (40758182)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードドイツ語教育 / 時制 / 接尾辞 / テキストタイプ / 通時的変化
研究実績の概要

本研究は,書き言葉における時制の使用実態を計量的観点から分析し,中級レベル以上のドイツ語学習者の読み書きに資するための情報を得ることを目的とするものである。本年度(平成29年度)は,当初,時事的テキストにおける時制の配列パターンを時系列の観点から分析することを予定していたが,分析の過程で,現在完了形と相性のよい接尾辞が存在するように思えたこともあり,少し脇道には逸れるが,ドイツ語学習者に有益となる情報でもあるため,時事テキストにおける接尾辞の使用実態を捉えることに重きを置いた。
具体的に接尾辞の使用実態を捉えるにあたり,本年度は,まず,テキストタイプによる差の有無を捉えることを課題とした。分析には,「映画字幕」,「ブログ」,「新聞」,「学術書」の4種のテキストを使用し,ゲルマン語系の接尾辞6つとそれ以外の系統の接尾辞5つを対象に,各接尾辞のテキストタイプごとの典型性,多様性,冗長性の評価を試みた。その結果,全体的傾向として,話し言葉よりも書き言葉のほうが接尾辞の使用頻度と多様性が高いことが確認された。他方で,話し言葉と書き言葉の対立が見えてくる接尾辞もあれば,そうでないものもあり,各接尾辞におけるテキストタイプ間の関係は一様ではないことも明らかになった。
また,接尾辞の直近の通時的変化の有無を探るべく,過去110年間(1900年から2009年まで)の新聞データを用いて,現代ドイツ語で多用される接尾辞のひとつである-lichを対象に,生産性,品詞構成,使用語彙の観点から使用傾向の変化の有無を検証した。その結果,20世紀中頃に,戦中,戦後の社会状況を反映する語彙が多用されたために,当該接尾辞の生産性が一時的に減少することが確認された。また,低頻度語に関しては,近年,社会の多様化に伴う表現の多様化と表現そのものの多様化が特徴的に見られることが観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

(理由)
1)本年度は新聞記事における接尾辞の使用実態の分析に重きを置いたため。

今後の研究の推進方策

次年度(平成30年度)は時事的テキストにおける時制の配列パターンを時系列の観点から分析する。また,時制との関わりから,特定の時制において特徴的に現れる接尾辞があるのかどうかを計量的観点から検証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 現代ドイツ語の派生形容詞をつくる接尾辞-lichの通時的変化についてーコーパスに基づく計量的概観ー2018

    • 著者名/発表者名
      今道晴彦
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 400 ページ: 31-44

  • [学会発表] 現代ドイツ語の派生形容詞をつくる接尾辞-lichの通時的変化について2018

    • 著者名/発表者名
      今道晴彦
    • 学会等名
      統計数理研究所公開セミナー「言語と統計2018」
  • [学会発表] ドイツ語を科学する2017

    • 著者名/発表者名
      今道晴彦
    • 学会等名
      平成29年度広島大学公開講座

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公開日: 2018-12-17  

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