多数の言語地図があるとき、類似の分布パターンを示す言語地図を総合することで、その地域のことばの歴史が見えてくる。また、異なる時期に調査された言語地図や異なる世代を対象とした言語地図を比較することで、言語変化が明らかになる。この言語地図の総合と比較の方法を組み合わせた実践として、新潟方言における準体助詞(「大きいの」、「行くのだろう」などにおける「の」)の分布と変化を明らかにするため、多様なデータを様々な作図法で地図化した。また、奄美徳之島方言の動詞の活用体系の変化が地理的分布としてあらわれる事例として連用形と禁止形の地図を作成し発表した。
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