研究課題/領域番号 |
16K02695
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
笹原 健 麗澤大学, 外国語学部, 講師 (10438921)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 上ソルブ語 / 文らしさ / 語順 / 言語接触 / 情報構造 |
研究実績の概要 |
本研究期間の1年目である平成28年度は,研究環境の整備ならびに基礎的なデータの収集を行った。 平成28年8月8日から9月4日まで,ドイツ・ザクセン州クロストヴィッツ村にて,,文のタイプと音韻に関する音声資料と映像資料を収集する現地調査を実施した。音声は想定していた資料を得ることができた。映像については十分な資料を得ることができなかったため,平成29年度に再度実施する。 この調査で得た資料をもとに,2016年10月24日-25日にシレジア大学(ポーランド)で開催されたThe 3rd international conference titled Various Dimensions of Contrastive Studies (V-DOCS 2016)ならびに2016年10月26日-28日にラ・リオハ大学(スペイン)で開催された2016 International Symposium on Verbs, Clauses and Constructionsにて研究発表を行った。本課題について,上ソルブ語とドイツ語の類似点と相違点を中心に2つの側面から問題提起をし,考察の結果を報告した。なお,後者については,シンポジウム出版物の採択を受け,平成29年度中に公刊される予定である。 また,担当していた連載「ドイツに生きるもうひとつの世界:ソルブの世界を訪ねて」では,該当年度で執筆した第3回から最終回(NHK出版『テレビでドイツ語』2016年6月号,7月号,8月号,9月号。106-110,102-107,104-109,98-103ページ)においては,本研究で得られた知見にふれつつ執筆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度では2つの国際学会で発表することで成果を出すことができたが,現地調査で十分な映像資料を得ることができなかった。したがって,言語資料の分析と考察に当たっては音声資料に頼らざるを得なかった。映像資料は,研究の大きな進展が見込まれていた資料であったため,上記区分であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は研究期間2年目であり,前年度に収集した資料の整理と分析をさらに進めていく。平成29年5月にアテネ大学(ギリシャ)で開催されるThe 8th edition of the International Contrastive Linguistics Conferenceにて口頭発表を予定しており,できるだけ最新の分析結果を含められるように考察を進める。この発表成果を平成29年8月に実施予定の現地調査に役立て,問題の解明に向けて多角的に分析・考察していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度当初は,書籍の購入をする予定であった。しかし,次年度にギリシャでの国際学会発表が採択され,使用予算の見直しを行う必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
生じた次年度使用額は上記海外学会への参加費の一部として使用する。
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