上ソルブ語では,主語以外の必要十分な文要素を明示していれば,「文らしさ」が満たされ,文が成立する。しかし,文が完結したあとに何らかの文要素が現れることがある。このような要素の出現はまれではない。これらの要素は,(a)話者の態度を表す要素と(b)話者の態度を表さない要素に分類できる。(a)の典型例は付加疑問であり,(b)の典型例は情報の付け足しや言い換えである。上ソルブ語と上ソルブ語話者のもう一つの母語であるドイツ語を対照してみると,両言語のあいだに類似性が見られる。これは長期にわたる言語接触によるものと考えられるが,人間言語一般に該当する可能性もある。
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