研究課題/領域番号 |
16K02696
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
藤本 幸夫 麗澤大学, 研究センター, 客員教授 (70093458)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 金属活字 / 木版本 / 刻手名 / 官版 / 坊刻本 / 内賜本 |
研究実績の概要 |
本人は日本に現存する朝鮮本、或いは明治初期まで日本に伝存したが、その後流失して大英図書館や台湾故宮図書館に所蔵される朝鮮本を、47年にわたって調査研究してきた。本年度もその継続である。29年度の調査及び研究内容は以下の如くである。 東洋文庫5回、東京大学図書館2回、京都大学・鶴見大学・早稲田大学図書館1回、都立中央図書館1回、静嘉堂文庫1回の調査を行った。特に東洋文庫は各分野にわたって朝鮮本が多く、多年調査を継続している。筆者は従来の研究では等閑視されてきた刻手名を集めており、かなり手元に集積していて、それによって刊年・刊地の推定できることが多い。朝鮮本は刊記のないことが多いため、刻手名の収集は極めて重要である。然しこれには随分手間がかかるため、韓国でも本格的になされておらず、筆者一人が行っている状況である。鶴見大学・早稲田大学では稀貴本を確認している。 30年初夏には『日本現存朝鮮本研究 史部』を刊行のため、29年度はそれの校正に時間を多く費やした。A4版上下2段1600頁で、漢文引用が30-40%をしめる。それを4回校正して漸く校了に至った。8月には麗澤大学でデータベースとして、現在公開中の「集部」に加えて公開される。次は「子部」刊行の予定で、既に取り掛かっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
筆者は日本現存朝鮮本の精密な記述を施した総合解題目録を意図しており、現存朝鮮本の調査は、9割5分は終わっている。現在残りの朝鮮本を調査しつつつ、出版用の原稿作成と入力に力を注いでいる。既に集部は刊行し、好評を得ている。本年初夏には史部刊行できる。そして現在鋭意子部原稿作成と入力に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は未調査分の残っている東洋文庫・天理大学図書館・書陵部の調査を行うと同時に、原稿作成時に調査漏れなどの生じたときには、既に完了している図書館や文庫を訪れて補完調査を行う。『日本現存朝鮮本研究』の子部及び経部作成のための原稿作成をしなければならない。
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次年度使用額が生じた理由 |
残金は来年度の旅費に充当する。
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